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公開日:2019年3月29日
健康寿命延伸のために
~認知症の正しい理解と予防~
浜松人間科学研究所
精神保健福祉士・臨床検査技師・主任介護支援専門員
上級認知症ケア専門士・認知症介護指導者
奥山惠理子先生
昨年に引き続き健康講演会が実施されました。当日の講演の資料から抜粋し講演内容を簡単にまとめてみました。
【日本の背景と課題】
奥山 惠理子 先生 |
超高齢化社会に向かう日本。2025年には推計700万人が認知症。65歳以上の4人に1人が認知症+認知症予備軍
財政負担の重さから施設ケアを減らし在宅ケアを増やす方向。多数の認知症予備軍と認知症の人が街中で生活
認知症の早期発見、脳機能リハビリテーションの確立、認知症予防法の確立が「世界の目標!」
認知症の発症・進行の予防には生活習慣病の予防・改善が重要
健康な状態から要介護状態になる間の状態に「フレイル(虚弱)」という状態が存在する。
【認知症の正しい理解】
「認知症」とは、脳の神経細胞が壊れることによる病気、70種類の原因がある。
脳のどの部分に問題が起きているかで「認知症のタイプ」と「症状」が違う
4大認知症
1.アルツハイマー病症
⇒記憶障害・見当識障害・うつ・不安・妄想が初期から出現
2.レビー小体型認知症
⇒パーキンソン症状、妄想
3.前頭側頭葉型認知症
⇒意欲・計画・抑制・想像・機転・注意分配・短期記憶等の障害、
側頭葉障害は言語理解障害
4.脳血管性認知症
⇒脳梗塞・脳出血・脳動脈硬化により、真剣ネットワークが破壊
【認知症の病状を見逃さないためには】
1.認知症は自分では気が付かないことが多い
⇒他社の助言を受け入れる、「かかりつけ医」の先生に相談、定期健診も有効
2.認知症は「物忘れ」だけではない
⇒今までと違うかな?が大切なこと
3.「意欲低下」は最初の共通症状
4.加齢に伴う認知症はゆっくり進行することが多い
早期発見、早期対応の意義
1.認知症の原因疾患に合わせた治療、リハビリテーションが重要
2.認知症の原因疾患に合わせた進行を遅らせる方法が提案されている
3.アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症は進行を遅くする薬がある
4.人間関係(家族・仲間・社会)の悪化を防ぐ
認知症気づきチェックシート
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kourei/welfare/elderly/nintisyou/documents/checksheet.pdf
【認知症予防を考える(運動と脳機能)】
治療可能な認知症
・正常圧水頭症
・脳腫瘍
・甲状腺機能低下症
・脳血管性認知症の一部
発症及び進行を遅らせることが可能な認知症
・アルツハイマー病
・前頭側頭葉型認知症
・レビー小体型認知症
・脳血管性認知症の一部
がある
【まとめ】
前頭前野機能を低下させない生活
「快刺激」「会話」は重要
ドーパミン、セロトニンを増加、前頭前野の血流増加
仲間との活動⇒散歩、体操、音楽、料理、旅行、ダンス、回想 等々
「認知症予防方法」は意欲・自立・交流を基本に
・ご自分にあったもの(趣味・嗜好・経済・・・)
・楽しいと感じられること
・やりがいを感じられること
・コミュニケーションの機会が持てること
これらを視点に「科学的根拠のあるもの」を!