【絵画部門、手工芸部門】米田末男さん 

米田末男さんの、もはや趣味を超えた卓越した技術は「立体書画工芸」と言います。「立体書画」とは、ベニヤ板に描いた絵や文字の輪郭を細いニクロム線の電熱で切り抜き、それをわずか数ミリ前に浮き出させる事で、立体感のある絵や文字を描くという技法です。立体加工をした後はアクリル絵の具で色をつけ、最後に変色や汚れの防止の意味もあり、ラッカー仕上げをしています。
 

 趣味の作品展には第三回目から毎年出展をされていて、今年で8回目になります。今年は絵画部門に3点、手工芸部門に2点を出展予定です。退職されてから始めたという立体書画工芸も、既に10数年の実績を持つ実力者です。旅行などで訪れた美しい景色や印象に残った風景などを写真に撮ったり、雑誌などでお気に入りの写真や絵を見つけたりして、それらを元に立体書画にして楽しんでいて、これまでに作った作品数は大小合わせて150点になります。立体書画工芸は文字を中心とした作品を作られる方は多くいらっしゃる様ですが、この技法で絵を描く方は少ない様です。手工芸部門で出品する「般若心経」は立体書画ではお馴染みの様ですが、今回、敢えて会場では見ることが出来ない裏面も写真でご紹介させて頂きます。製作工程の一端を想像して頂ければ幸いです。

(表)
(裏)

 絵も文字も、写真にしてしまうと平面的に見えてしまいますが、現物を間近でじっくりと見て頂くとその細部にまでこだわって丁寧な仕事をされている様子が分かります。これも、現役時代に培われた製品に対する真摯な想いが今なお活かされているのを感じます。絵や文字の美しさだけでなく、その技法にも注目してじっくり作品を見て、楽しんで頂きたいと思います。さらに詳しい立体書画の事や作品についてはご自身のブログで紹介されていますので、こちらもぜひご覧下さい。http://sueo.cocolog-nifty.com/  (文責:富田久恵)

 

 

趣味のイベントメニュ